あー、そうなんですか、
と、女性の顔色が一変した。
上手く、まくし立てた保険内容を言い切った後で
「入っていいですよ 」
の私の言葉に狂喜し、蒸気したのもつかの間
精神疾患の病歴を告知した私に彼女は落胆した
「無理かもしれません 」
彼女は寂しい声で別人になった
「どうしてですか 」
と尋ねる私に
多分自殺する可能性があるからだと思うんですよね
と言い放った
私は差別されたようなきがした
自殺?
そんなの誰だって分からないじゃない と心の中で苦笑したけど
つまりは世の中の通常のシステムに組み込ませて貰えない人間ってこと、
弾き出された類の人間だってことがわかった
私は振るい落とされたのだ
人と違うってことだね 要するに
きちんとプログラミングされ厳重に用意された書類は不要になり、ただのゴミになった。
何だか自分がクズのようになってしまった気がした
何を手に入れようとしていたのか私は
ベットに横たわる末期の自分を想像してみた
安心など何処を探しても見つからなかった
私は生きたいと
その時思ってるだろうか
使いものにならなくなる臓器がやがて一つ増え、二つ増える
破壊されていく身体に私は脅える
そのたびに修復を試み治療するだろう
命乞いするだろう
パッチワークされた身体をずるずる引きずり
病院の廊下を歩いているかもしれない
しろい顔をして
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by himagogo
| 2011-10-09 07:00
静寂の中かすかに聞こえる虫の声
午前6時
朝いちばんの空気を吸う
太陽はやおら上がり
うっすら明るくなってきている
花は咲き急いでいるように見える
俯いている理由を聞きはしない
また来年巡ってくるねこの場所で
じゃあ
って言ったら
鳳仙花が少し笑ったようにみえた
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by himagogo
| 2011-10-08 07:47
今年もまた思い出した
あの燃えるような激しい
赤々しい彼岸花を見て
私は小学3年生で
あいつは5年生だった
私はいじめられていた
汚い言葉をいつもいつも浴びせられていた
なぜか私が標的になっていた
あいつの目的は弱い者いじめ
言い返せない私は
ぐっと唇を噛み締め
絶対泣かなかった
何度もなんども、毎日繰り返されていた汚い言葉
私は絶対泣かなかった
あの頃の私は本当に強かった
悔しくて悔しくて
きっと未だに腹を立てている
物分りのいい大人になんかなれやしない
その時から
ことばのありようを
考えながら生きて来たように思える
あいつもいい歳だ
生きているだろうか
どんな大人になっているだろうか
言った方は忘れている
言われた方は死ぬまで忘れない
あいつの家の庭に
ニョキニョキ生えていた彼岸花
あの花が狂ったように咲いて
私のこと見ていた
赤い目だった
だから忘れない
もしもあの頃に帰れたら
大丈夫だよって私を抱きしめてあげたい
この季節はこころがちくと痛くなる
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by himagogo
| 2011-10-07 17:34